『ダイブ!!』

水着男子による青春サクセスストーリーと聞けば、「ウォーターボーイズ」シリーズが真っ先に浮かびますが、今回は飛び込みがテーマ。題材は地味だし、「ウォーターボーイズ」に比べてキャストも弱め。そもそも弱小チームがいきなりオリンピックというのはいくらなんでも出来すぎだよなと思いつつも、やっぱりこの手の作品は無条件で感動してしまう。それは、挫折と栄光といった青春の甘酸っぱさとキラメキが清々しさを与え、自分も頑張ろうという気持ちにさせてくれるから。出演俳優たちの努力や勢いといったものが、画面を通して伝わってくるのもいいですね。
『バッテリー』で注目を浴びた林遣都くん。劇中「ダイヤモンドの瞳」と呼ばれるに相応しく、目の印象が非常に強い俳優さんです。顔の半分が目じゃないかってぐらい、とにかくデカイ。でも、個人的にはエリート少年を演じた池松壮亮くんに惹かれました。一見恵まれた環境だけど、実は監督である父との関係に悩んでいる。陰のある表情から彼の心の葛藤が伝わって来て、目が離せませんでした。遣都くんや今大売り出し中の溝端淳平と比べて顔は地味だけど、だからこそ色んな役に溶け込めそうな印象で、今後が楽しみな役者さんです。
ウォーターボーイズ」のような高揚感はあまりなく、盛り上がりが今ひとつではありましたが、ストーリーもしっかりしていたし、3ヶ月に渡る特訓の成果もあってか、飛び込みシーンでの役者と吹替えのチェンジがとても自然で、迫力ある映像に仕上がっていました。

評価 ★★★☆☆