『スマイル 聖夜の奇跡』

去年の12月に見た映画なので今更だけど、何となく記憶に残しておきたかったので感想を。

この手の映画、私は結構好きです。ベタだけど、未熟な連中が皆で力を合わせてどんどん成長していくストーリーはやっぱり気持ちがいいし、素直に感動できるから。お久しぶりの森山未來が主演ですが、今回の彼はむしろ黒子的な存在で、主役はあくまで子供たち。北海道の地元の、演技ド素人なホッケー少年(少女)ですが、監督を努めた陣内さん渾身の演技指導の甲斐あって、順応性の高い子供たちが演技というよりはその役になりきって生き生きしていたのが印象的でした。セリフ回しははっきりいってヘタクソなんですけどね(苦笑)。でも役との一体感が感じられるので全然気になりませんでした。そして未來くんはこういう熱く盛り上げるキャラが良く似合う。
弱小ホッケーチームの成長過程は、さすが長年の少年ホッケー観戦暦に裏づけられた知識と実話をモデルにしているだけあって、奇抜な戦法もリアリティがあって引き込まれました。映像もホッケーのプロがカメラを抱えているだけあって迫力満点。正直タップダンスとの融合は未來くんへの当て書きとは言えちょっと違和感があったけど、全体的な躍動感につながっていたので、これもありかなと。陣内監督のならではのスベリ気味なギャクも、私は嫌いじゃないです。ちょっとグド過ぎる感はありましたけどね(苦笑)。
ただ、病を患う少女の描き方や、心を閉ざした少年の描写が物足りず、肝になる役者が素人というところもあって、惜しいなという気もしました。あの少年、役者デビューするらしいですが、う〜ん、どうなんでしょうね。。。一方の千夏ちゃん役の子は、役者じゃなかったのかと逆に驚く程いい芝居してました。根性ありそうだし(笑)、味があるので今後がちょっと楽しみです。
残念だったのがラスト。あの森公の唐突なミュージカル歌唱が延々と続くのはちょっと・・・でしたが、陣内監督曰く「オレを踏み台にした」という塚本孝史&玉木宏の友情出演、否、強制出演(笑)も楽しく*1、青春の清々しさと感動が味わえる作品でした。

評価 ★★★☆☆

*1:ロッカーズ」繋がり