『ALWAYS 続・三丁目の夕日』

05年度の各賞を総なめにしたあの名作の続編。個性豊かな面々が、またスクリーンに帰ってきました。今回は新たなキャラクターも増え、やや散漫な感じはありつつも、根底に流れる温かくてどこか懐かしい三丁目の世界は健在。吉岡秀隆のダメっぷりも、堤真一の豪快なオヤジっぷりも、薬師丸ひろ子の包容力あふれるおかぁちゃんっぷりも、堀北真希の田舎娘っぷりも相変らずで、見終わった後じわ〜っとあったかい気持ちになれる映画です。中でも今回の立役者は鈴木オートの息子一平、小清水一揮君。絶妙のコメディセンスで観客を笑わせつつ、大勢のキャラクターを結びつける要として、見事な存在感を発揮していました。そういえば小清水君、『オリヲン座からの招待状』にも出てるんですよね。何ていうか、妙に昭和が似合う子役さんだなと。一方の須賀健太くんは、6ヵ月後の設定にしては身長伸びすぎ。声変わりの気配もあり、少々違和感が残りました。
ストーリーはいたって平凡。何てことない三丁目の日常と人間模様を描いているだけなんだけど、じわじわと心に染みるものがあります。目新しさや感動という点では前作に及びませんが、今回も間違いなく、団塊の世代には特にグッとくるはずです。個人的には涙がでるまでには至りませんでしたが、不思議な懐かしさと優しさに包まれ、ホッコリとした気持ちで家路に着きました。

評価 ★★★★☆