『Little DJ 小さな恋の物語』
私が神木隆之介に注目したのは長瀬智也主演の「ムコ殿」。DoCoMoのCMでも余すところなく発揮されている長瀬くんの、あのおバカな熱血漢キャラの魅力を私が初めて認識したのがこのドラマ。それ以来長瀬ドラマと聞けば無条件に反応してしまう私ですが、同じく甥っ子を演じた神木くんの可愛らしさと演技力に目を奪われたのも「ムコ殿」でした。あの頃でいうと、和製ハーレイ・ジョエル・オスメント現る！ってところでしょうか。*1とにかく、すごい子役が現れたな〜と思ったわけです。
そんな神木くん主演による、淡くて切ない初恋物語。いつの間にか恋を演じる年頃になった神木くんに多少の違和感を抱きながらも、彼のけなげな笑顔に涙・涙でした。私は基本的に素直じゃないんで、笑わせようだとか泣かせようだとか、製作者の狙いがミエミエの映画はむしろ冷めてしまうタイプなんですが。ストーリー自体には特にひねりもなく、難病ものお決まりの展開ではあったけど、それでも神木くんの真っ直ぐな演技と、父親役の石黒賢や院長の原田芳雄ら脇役の渋い演技が胸に来ました。お子様向けの映画かと思いきや、主演2人が若い分脇役がすごくいいところをそろえていて、ベテラン勢がしっかり作品の屋台骨を支えていたのが大きかったのかも。上記の2人以外にも松重豊かさんとか、わずかな出演で強烈な印象を残すところがさすが。あと、「サプリ」でオカマちゃんを演じた佐藤重幸さんが、爽やかで誠実そうな若先生を好演。しかし「サプリ」とのあまりのギャップに、中盤ぐらいまで彼だってことに気付かなかった…役者だなぁ。神木くんの初恋の相手役、福田麻由子ちゃんは「ラストプレゼント」や「女王の教室」のイメージからは一転、明るい役柄に挑戦。ちょっと笑顔に無理が見えた他はよかったと思います。*2
確かによくある難病ものではあるけど、子供のころに抱いた甘酸っぱいピュアな気持ちを思い出させてくれる作品です。「どうせ泣かせる映画でしょ」だなんて思わず純粋な気持ちで見ると、思いのほか心にしみる映画かもしれません。
評価 ★★★☆☆
