『リトル・レッド レシピ泥棒は誰だ!?』

有名な「赤ずきん」を題材としたCGアニメーション映画。はっきりいってCGの出来はドリームワークス作品と雲泥の差。まるでRPGを大画面で見ているかのようなぎこちない動きではあったけど、ストーリーの面白さで全てをカバー。誰もが抱く先入観を巧みに利用し、一つの事実を複数の視点で描きながら一見矛盾し合うそれらの物語りを次第に一本の線に繋げていく過程はなかなか見事。鈴木おさむ監修によるコミカルな会話も面白く、大人から子供までが気軽に楽しめる作品でした。
声優陣も思いのほか良かったです。樹里ちゃんは「上野樹里」のままではあったけど気の強さがよく出ていたし、加藤浩次とケンドー・コバヤシが意外にも上手くてビックリでした。特に加藤は会話のテンポが絶妙でぐいぐい笑いを引っ張っていたし、ケンコバも普段の芸風とは打って変わってダンディな美声を発揮。あと、おばあさん役がすごくインパクトあったんですが、チラシなどでも全然紹介されていないところを見ると、プロの声優さんが担当されているのでしょうか。日本では宣伝上まったく取り上げられていませんが、影の主役とも言える圧倒的なインパクトは何?と思えば、英語版ではなんとあの名女優グレン・クローズが担当。なるほどなどほど、それなら納得です。

評価 ★★★☆☆