『HERO』

連ドラの時にめちゃくちゃハマって、待ちきれず初日に鑑賞。往々にして期待しすぎるとろくな事ないんだけど、これは普通に楽しめました。久利生公平は数あるキムタクドラマの中でも好きなキャラ。キムタクは何をやってもキムタクなんだけど、それはそれで作品を成立させてしまうところが”キムタク”ならではというか。普通その人自身のイメージが強すぎると作品の世界を壊してしまうのに、キムタクの場合は逆に作品を自分の色に取り込んでしまう。この辺りがそんじょそこらのタレントには真似できない、キムタクならではのすごさなんだと思います。*1ということで、今回も久利生・キムタク・公平は健在。雨宮との意地っ張りなやりとりも楽しく、2人の関係の変化は嬉しいような、どこか寂しくもあるようなラストでした。
でも、なんといっても「HERO」の醍醐味は、あの奇妙でおかしな城西支部のメンバーでしょう。彼らなくして「HERO」の面白さは語れません。思えば彼らがほとんど出なかった前回のスペシャルはすごく物足りないというか、ありきたりなキムタクドラマでしかなくて、「HERO」復活を楽しみにしていた身としては「な〜んだ・・・」って拍子抜けだったんですよね。久利生検事一人ではあの面白さは生まれない。城西支部の個性的な面子が居るからこそ、そして彼らと久利生の間に絶妙なアンサンブルが生まれるからこそ、「HERO」独特の世界が確立されるんだと、つくづく感じました。今回も芸達者な役者達が各々のキャラを楽しそうに生き生きと演じていて、ブランクを感じさせない絶妙な呼吸は健在。というか、パワーアップしてた(笑)。やっぱり、脇が生きてる作品はいいですね。今や人気俳優となった阿部寛も、思えば「トリック」とこの「HERO」が人気の始まりだった気がするし、勝村さん*2と小日向さん*3やっしー*4はこのドラマで始めて認識して。彼らはその後連ドラに連投しまくりだったけど、脇役好きの私としては色んなドラマで見かけるたび親近感湧いちゃったりしてたんですよね。最近のやっしーはちょっとでしゃばり過ぎなのが鼻に付く時もあるけど、このメンバーではこれぐらいがちょうどいい。それぐらいみんないいキャラしてるから。おまけに今回は古田新太なんかまで登場しちゃったりするからたまらない。松本幸四郎タモリが大物ゲストとして登場するのが話題となっているけど、私はそれよりも古田新太と勝村さんのやり取りがツボでした(笑)。もちろんゲストのみなさんもいい仕事しされてました。あ、あくまでタモリを除いて、ですが。*5松本幸四郎はさすがな存在感だし*6、香川さんは言うまでもなく上手いし、岸部一徳もあの顔にピッタリの役柄で(笑)。豪華キャストがそれぞれ上手く生かされていたように思います。
ストーリも、映画らしく大物政治家との事件を絡めつつも久利生らしさを失わず、劇中で言うところの小さな事件に焦点を当てた描き方をしていて良かったです。もちろん粗を探せば色々あるし、韓国ロケも蛇足だと思うけど。というか、そもそも映画にせずともスペシャルドラマで十分な内容ではありましたが、形は何であれ再び「HERO」が見れて大満足でした。

評価 ★★★★☆

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*1:もちろんマルチタレントとしてのすごさであって、役者としてではありませんのであしからず

*2:勝村政信

*3:小日向文世

*4:八嶋智人

*5:他にももっと大物であの役に相応しい人は居るだろうに、なんでよりによって彼なのか疑問。

*6:松たか子に向かったどなた?と聞いた時には娘でしょ〜と突っ込みたくなったけど