『スパイダーマン3』

元々アメコミ系は興味がなく、どちらかといえば苦手なタイプ。故にシリーズ1、2ともに華麗にスルーしていたのですが。たまたまGW中に放送された「スパイダーマン2」を暇つぶしに見ていたら、へ〜、意外と面白いじゃん、と。続けて翌週の「スパイダーマン」も見て*1、その勢いで早速劇場へ足を運んでみました。*2今作はSFアクションよりも人間ドラマがメイン。ピーター・パーカーの内面に芽生えた虚栄心や驕りがフォーカスされている為、主人公がムカつくほど嫌な奴に(苦笑)。結果色んな人を巻き込み、そこに待ち受けていたのは悲しい結末。ヒーロー物ならではの痛快な気分を味わうことなく、モヤモヤとしたままスッキリしない終わり方でした。今ひとつ世間での評判がよろしくない理由は、そんなところにあるのかも。
でも、私としては単なるSFアクションよりは見ごたえあってよかったと思います。スパイダーマンの超越した力と人気を自分の実力と勘違いし、調子に乗って自己中になり、大切な人の心をも見えなくなってしまう辺りは、ある意味人間らしくてとってもリアル。ま、だからと言ってわざわざ彼女に嫌がらせをしに行く辺りはどうかと思いますが。*3でも、人間って結構そんなもんじゃないかと。凡人が急にミラクルな力を身につけたら、そりゃ誰でもいい気になるわけで。そこで自分を見失ったまま落ちてしまうか、目を覚まして自制心を取り戻すかが人生の大きな分かれ目。そんな人間の愚かさ、心の弱さが浮き彫りになった今作では、SFアクション映画には珍しく意外な人間ドラマを見ることができました。もちろん、その分エンタメ性は薄れちゃってますけどね。私的にはアリな作品でした。
評価 ★★★☆☆

*1:何故1と2放送が逆だったのか疑問

*2:これが番宣効果というものか・・・

*3:トビーにキザは激しく似合わない事を改めて認識