上野樹里『スウィングガールズ』

DVDを持っているにも関わらず、TVで放映されるとついチャンネルを合わせてしまう。何度見ても楽しい作品。特にラストの「A列車で行こう」は毎回胸がじわ〜っと熱くなる。演奏の技術そのものよりも、彼女たちが一丸となって心からジャズを楽しんでいる、その姿に感動を覚えてしまうのです。基本的に、落ちこぼれ達が奮闘しながら力を合わせて一つのものを作り上げる、そういう青春ストーリーに弱いのかもしれない。『ウォーターボーイズ』しかり、『フラガール』しかり。洋画で言うと『天使にラブ・ソングを2』とかね。
そしてこの映画を久々に見て、改めてこれが上野樹里の原点だなと感じました。『のだめ』ですっかりメジャーとなった彼女だけど、そのごく自然体でどこかとぼけた雰囲気が、彼女最大の強みだと思う。一見荒削りな原石に見えて、実はその内に目を放すことの出来ない強い輝きを秘めた女優。舞台挨拶ではとてつもなく不思議ちゃんだけど、撮影現場ではガラリと真剣な眼差しの女優に変る。自分に厳しく、演じる上で妥協は決して許さない。どこか瑛太と同じ匂いがします。思えば『のだめ』でも2人の息はピッタリでした。とある雑誌で瑛太が樹里ちゃんのよき理解者だと紹介されていましたが、まさに2人はソウルメイトなんでしょう。のだめと峰くんのように。
しかし『ウォーターボーイズ』が若手俳優の宝庫なら、こちらは若手女優の宝庫ですね。本仮屋ユイカ貫地谷しほりと、なかなか上手い若手が揃ってます。*1無名ながらもドラム娘を演じた豊島由佳梨もいい味を出していたし。ただ黒一点の平岡裕太に関しては・・・ま、この時はフレッシュさが売りという事で何も言うまい。それ以降の彼の演技に関してはあえてコメントを差し控えておきます。

*1:貫地谷しほりが今ひとつブレイク出来ないのがおしい。『花男』もチョイ役だし