『地下鉄に乗って』ネタバレあり

堤真一＆大沢たかおという顔ぶれは大変魅力的。ズバリ言ってしまえば彼らの演技だけが救いな映画でした。おそらく目指したのは『三丁目の夕日』の世界。つまり昭和への郷愁といったところ。ところがそこへタイムスリップという異質な空間が入り混じった事で、全てがどっちつかずな印象に。そもそも主軸となる”叶わぬ恋”があれ*1ってどうなんだろう。正直ドン引きでした。２人の生々しいシーンがあっただけに余計。だったらむしろ行為ではなく心情を丁寧に描いて欲しかった。それならまだ切なくなれたかもしれないのに。単なる不倫関係にしか見えない描き方じゃ失敗です。あげくの果てが岡本綾のあの行動だもの。好きな人を困らせたくないからってあれはない。自己犠牲愛？罪のない人まで巻き込んでるのに？大沢たかおが熱演していただけに残念です。でもこの映画、年配の方には意外と評判がいいみたい。その世代の琴線に触れる何かがあるのかもしれません。

*1:近親相姦