『陽気なギャングが地球を回す』

これぞまさしく改悪の極み。原作の良さが全てぶち壊しにされていた典型的な作品でした。キャスティングはなかなかの目の付け所。若干イメージとは異なるものの、それぞれの持ち味が加わり魅力的な人物像が出来上がっていたのに。原作の持つ捻りの効いた展開の面白さも、ポップな会話も、スリリングな爽快感も。全てが脚本と演出によって殺されていました。生かすべきところが生かされず、その代わりに加えられたのは不必要なオリジナルストーリーと微妙なギャグ。監督はちゃんと原作を読み込んだの?そう疑いたくなるような出来。原作を抜きにして映画単体で見たとしても、中途半端なギャグとあのうやむやなラストがやっぱり頂けません。唐突に始まるドラマチックなラブシーン。あれで収拾付かなくなったラストを誤魔化そうとしてる気がする。どうもスッキリしない映画でした。原作読み直してこのフラストレーションを解消しますか。