『嫌われ松子の一生』初日

待ちに待った『嫌われ松子』初日。黒のロングジャケットでビシッと決めた瑛太さん、さすが*1な着こなしで恐れ入りました。いつもの如く彼がマイクを持つと、一瞬にして空気は瑛太色に(笑)。「注目して見て欲しいシーンは」との司会者の質問に、すご〜く間を空けてから「ん?」と聞き返す瑛太さん。*2この”間”と”表情”のなんとも絶妙な事。しかも散々考え込むからさぞかしすごい答えが帰って来るかと思えば、「谷原章介さんの歯が光るところです」*3で場内爆笑。
つくづく不思議な人。予測不可能だから見ていて飽きない。でもおそらく本人は至って真面目。だから余計に面白いのです。彼の持つ独特の間と空気。このややゆったりとした、人とはちょっと違う時間の流れ方が、狙わずして周囲の笑いを誘うのだと思います。かと思えばしれ〜っとした顔しながら面白い事を言ってみたり。私に言わせれば、彼は天性のコメディセンスの持ち主。一度嵌ると抜け出せない底なし沼のような魅力です。
そんな彼のセンスが余す所なく発揮されていた本編。冒頭のダメンズぶりといい、ライター探すシーンといい、沢村社長との掛け合いといい、絶妙の間。と表情。「似てねぇよ・・・」の一言であそこまで笑いを誘えるのもすごい。どこにでもいそうな若者川尻笙。そんな彼を飾らず気負わず自然体な演技で見せた俳優瑛太。波乱の人生を歩む松子の劇画チックな存在と好対照なその存在は、映画に絶妙なバランスを与え、観客と松子を繋ぐ重要な架け橋となっていました。

*1:モデル出身

*2:ちゃんと聞いてなかったらしい(笑)

*3:ツボはそこか(笑)。いや私も好きだけど