『憑神』

DoCoMo2.0新バージョンのCMがスタート。瑛太がパシられる「コンビニ編」と「タクシー編」が大好きだったのに、「タクシー編」をほとんど目にする間もなくサックリと妻夫木くんの新バージョンに変わってしまった。ちょっと残念。でもこのシリーズ、どんどん面白くなって来ている気がする。「考えられへんぞ!!編」のキム兄*1もいいけど、「うた・ホーダイ(告白)編」の妻夫木聡がね、あの一度死んだフリして生き返った時のあの笑顔がね、何とも言えず可愛くて好きです。人懐っこくて、爽やかで、どこかいたずらっ子のような妻夫木くんの笑顔。この母性本能をくすぐる笑顔が、彼の最大の魅力なんじゃないかなって、CM見ながら改めて実感。

で、そんな妻夫木聡が主演する時代劇『憑神』ですが。予告編見た感じではそれなりに面白そうに感じたんだけど、う〜ん、これはちょっと期待外れだったかも。前半の貧乏神のくだりなんかは神がかりに面白くて、西田敏行の芸達者ぶりに圧倒されるばかりだったけど、その後がイマイチでした。次々と現れる貧乏神、疫病神、死神が主人公の人柄にほだされて宿替えする辺りといい、主人公の潔さといい、プロット的には十分面白要素があったのに、どうしてあんなにスッキリしないお話になっちゃったんだろう。それぞれのエピソードが尻切れトンボで何だかごちゃ混ぜな印象しかなく、笑いも泣きも中途半端。特に肝心の死神エピソードの描き方が雑なので、主人公のラストが唐突すぎて全然入り込めませんでした。っていうか、何だか拍子抜け。しかも、え゛〜と思っている間に画面が変わり、いきなり登場したのがなんと原作者の浅田次郎という。これにはドン引き。もう西田敏行香川照之の味のある演技も全て台無しですよ、まったく。

でも、役者は結構いいとこついていたと思います。別格だった西田敏行を始め、どんな映画でも姿を見かける香川さん。上手い役者っていうのはジャンルを問わずピタリと嵌るもんだなと。『花よりもなほ』のヘナチョコ浪人もよかったけど、今回の江戸っ子ぷりも見事でした。あとこれまた同じくどこにでも登場する佐々木蔵之介も、性根の腐った放蕩長男を怪演してたし、母上役の夏木マリも凛として良かったです。妻夫木くんも不器用で誠実な主人公を好演していました。ただ、元々セリフ回しはあまり上手い方じゃないのに、時代劇になると滑舌の悪さが尚更際立ち、見ていてヒヤヒヤしてしまった(汗)。佐藤隆太もキャラはすごく良かったんだけど、やっぱりセリフがかなり微妙。なるほど、これが時代劇の難しい所なのかもしれない。独特の台詞回しが掴めてないと、どうしても中途半端でぎこちなさが出てしまうから、それが棒読みに聞こえてしまうのかもしれませんね。あと、天才と鳴り物入りで死神に選ばれた森迫永依ちゃんですが、あの歳で計算が見え隠れする演技をされてしまうとちょっと・・・。彼女の演技を見ていると、「だって私上手いんだもん」という声が聞こえてきそうでコワイです。もっと自然体の方が私は好きだけどな・・・なんて。

評価 ★★☆☆☆

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*1:メイン8人以外のキャストは初めてですね