『硫黄島からの手紙』

今年度洋画No.1はこれで決まり。イーストウッド監督ブラボー。ハリウッド作とは思えない程丁寧な当時の日本側の描写。と、ハリウッドならではのスケール感あふれる映像。この2つが見事に融合された大変見ごたえのある作品でした。号泣とはいかないまでもじわーっと胸に感情が押し寄せて来て、先に公開された「父親たちの星条旗」より遥かにいい出来栄え。巷では二宮くんの演技が注目を浴びているけど、私の印象に残ったのはやっぱり渡辺謙の重厚な存在感と、加瀬亮の繊細な演技。でも、それ以上に良かったのが西中将を演じた伊原剛志さん。あまりの格好良さにビビリました。だって私の中では「おつカレーライス」の人だから(苦笑)。*1まさに開眼。確かに西中将の役柄が相当格好いいという事もあるけど。でもその誠実で男気に溢れた頼れる将校を、見事に演じきっていたからだと思います。お気に入りの役者さんがまた一人増えました。役者で不満だったのは中村獅童だけ。目ばっかりひん剥いた力み演技が相当浮いていた。自己陶酔型演技の典型。宣伝ではメイン扱いのわりに役柄も中途半端で、彼は一体何のためにいたんだろうかと。ま、さほど重要な役でないのが逆に邪魔にならずよかったのかもしれないけど。いずれにしても前評判の時点で早くも今年度の賞レースは硬いと言われている本作。果たしてどこまでいくか。楽しみ楽しみ。